畑菜穂子

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梅仕事ではなく梅しごと

ていねいな暮らしの初夏の風物詩ともいえる「梅しごと」。Instagramでよく見かけるようになったので試しにハッシュタグ検索をしたら、10,985件の投稿があった(ちなみに「梅仕事」で検索したところ、出てきたのは70,478件。どうやら「梅しごと」とひらくのが主流のようだ)。私はお酒が飲めないので、夏に飲むのは麦茶か炭酸水だ。だから、梅シロップや梅サワー(酢入りのシロップ)があると、飲み物のバリエーションが広がって単純にうれしい。暑い日に外から帰ってきて、氷と水で薄めたシロップをぐびっと飲むのは至福でもある。仕込むのは少し面倒だけど、梅から少しずつ出る果汁が砂糖を溶かしていく過程を毎日チェックするのは、何かを育てているようでとてもワクワクする。そう、私は「梅しごと」をしているのだが、恥ずかしくてその言葉は使えない。画像についてもそうだ。梅酒や梅シロップの画像をInstagramで見ると素敵だとは思う。ただ、その素敵の中に自分が入ると考えただけで、いたたまれなくなってしまう。どうやら「梅しごと」は、私の中で「ほっこり」と同じくらいの意味をもってしまっているようだ。自分が不器用な分、誰かが手作りしたものを見たり、食べたりすることが好きだ。でも、そこに「自家製の無農薬○○を使った〜」や「オーガニックコットンの〜」などの言葉がくっついていると、ちょっとだけ手を伸ばすことをためらってしまう。我ながら面倒くさい性格だと思う。例外もある。子どもといるときは、食べ物であれば「子どもが口にできるか」にだけ着目できるため、ストッパーをあっさりと外すことができるのだ。そして、その先に待っているのは「おいしい」や「好き」の場合も多い。ストッパーなんて外してしまった方が楽しいことが増えるのかもしれない。でもさ、少しの抵抗が残っているくらいが心地いい。たまに”ストッパーの向こう側”に行くくらいが私にはちょうどいいのかもしれない。

踊りとか歌とか

昨日の朝、着替えをしていた娘が変な体制のままフリーズした。「どうしたの?」と聞くと、「画像だから動けません!」とのこと。「それ、おもしろい! お父さんにも見せよう!」と絶賛したところ、今度はおふざけ口調で「画像だからうにゃうにゃうにゃ……(途中から聞き取れず)」と言っていた。どうやら、さらにおもしろいことをしようと思っておふざけ要素を加えちゃったもよう。このままでは、せっかくのギャグがもったいない。「おもしろいことを言うときは、おふざけ口調で言うよりも、普通に言った方がおもしろいよ」と謎のアドバイスをしてしまった。5歳ともなると、「おきつさん(おつきさん)」、「おかさな(おさかな)」など、1〜3歳のころによくある”言いまちがい”をすることががほぼなくなってしまった。少し寂しさを感じる反面、頭を使って話すことが結果的におもしろさにつながることを楽しめる時期でもある。我が家では朝ごはんのときにTBSラジオの「森本毅郎スタンバイ!」を聴くのが日課になっている。テレビをつけると保育園の準備ができなくなるからなのだけど、最近は「朝ごはんをちゃんと食べる」ことを条件に7時〜7時15分まではEテレの「シャキーン!」視聴タイムに変わった。「お母さんは、めいちゃんとモモエちゃん(どちらも子役が扮するキャラクター)どっちが好き?」と聞かれたので、「前はももえちゃんだったけど、メイちゃんの歌も好きだから、今はどっちも好きだよ」と答えた。私の話をうけて、「○○ちゃん(保育園の友だち)は、めいちゃんの歌の意味がわからないって言ってる。モモエちゃんは、もっとダンスをがんばった方がいいと思う」と分析モードで話す娘。(※ちなみに、今月のシャキーンでめいちゃんが歌っている「TEA PARTY」という曲は、作詞・岩見十夢、作曲・Koji Nakamura、コーラス・フルカワミキ。映像にはミキちゃんとナカコーも登場する。学生時代にチョコレートパフェやスーパーカーを聴いていた母的としては、青春がすごい勢いで戻ってきたような感覚です)話す内容に成長を感じる一方で、私が演じるモモエちゃんやプリキュアを相手に本気で照れたり、よろこんだりする様子を見ると、ちょっとだけほっとする。

イヤイヤ期に励まされる

5歳の娘が絶賛反抗期だ。保育園登園前や出かける前に、まったく準備をせずに絵を書いている。ときには塗り絵をしたり、ただひたすら寝転んでいたりもする。注意するとすかさず言い返してくるか無視してやり続けるのだ。あまり子育てでムキーッとならない方だと思っていたのに、毎朝怒っている自分がいる。別に機嫌が悪いわけじゃない。娘の場合、機嫌のいい・悪いと準備をしないのとは必ずしもイコールではないのだ。「好きなことをしているときは邪魔をしない」「子どもが自分から行動するまで待つ」本やサイトで読んだ子育て論のアレコレが頭に浮かび少しの罪悪感に襲われるものの、そんなことをしていたら、いつまでたっても保育園にはたどり着けないよ。イヤイヤが激しかった1歳後半〜2歳のころ。あの頃は小さかったし言い返されることもなかった。今思うとかわいいもんだったよな〜と当時の画像を眺めながら感慨に浸る……つもりが思い出したよ。ぜんっぜん楽じゃなかったことを。なぜか私以外の人には「おはよう」の代わりに「イヤー」「ガリー(ひっかいているつもり)」と言い、自分の決めた人以外が靴を履かせたりベビーカーにのせたりすると泣き叫んで抵抗……。育児系の何かでイヤイヤ期の対処法として「◯◯と◯◯どっちがいい? と選択肢を与えて選ばせるといい」と読んだので試してはみたけど、まったく効果なし。くいしんぼうだったので、外食はしやすかったのがせめてもの救いだった。あの頃と比べると、普通におしゃべりしたり、お手伝いしてくれたり、できることが増えたもんだ。私は怒ることが増えたけど、笑うこともぐっと増えた。先週は娘の提案で「バイキング(ブッフェ)ごっこ」をしたけどなかなかおもしろかった。中学生くらいになって本格的な反抗期がやってきたころに、今の反抗期のことも甘酸っぱく思い出すのかもしれない。

年末年始をもう一度

大晦日に熱を出し、目がさめると2018年に突入していた。少しだけ厳かな気分に浸りながら「一年が経つのは早いねえ」なんてしみじみする時間もなく、子どもと一緒に眠るいつもの夜。年越しそばも食べてなければ「ゆく年くる年」も見ていない。私の持て余した年末感は、どう消化すればいいのだろう。翌日からは大阪にある夫の実家へ。お節にてっちり(ふぐ鍋)、てっさ(ふぐ刺し)、大好きな古漬け……義母が用意してくれたごちそうが並ぶも、存分に食べられない自分の体調不良がうらめしい。紅白、初詣、初売り、正月のTV番組……年末年始に対して消化不良のまま気づくと4日になっていた。昨晩は、子どもを寝かせたあと念願の「ゴッドタン」の「マジ歌選手権」を3日遅れで鑑賞。毎度のことながら、バナナマンの日村さん演じるヒム子を見て相方の設楽さんが他の誰よりも笑う姿を見て幸せな気分に浸る。ハライチ岩井さんの腐りっぷりもずっと見ていたいくらい心地いい。余韻に浸りながら時計を見ると0時前、普段の就寝時間から2時間近くオーバーしているではないか。でも私は布団には入らず、3分の2ページほど読んだ小川洋子の『凍りついた香り』を手に取る。翌日は仕事だけど読み終わるまでは寝ないと決めた。だって年末年始プレイだもの。今晩は録画した「キングちゃん」とできれば「ドキュメンタル」も見て、ついでにアイスも食べちゃおう。私の年末年始プレイはまだまだ続く、そして睡眠不足も続く。

成長する出べそ

シャワーを浴びているときにへそのあたりに触れたら、いままでにないような感覚が……。見てみると、へその内部の皮膚が表に出てきかけていた。出べそ化が進行しているらしい。「妊婦 出べそ」で検索すると約234,000件も出てきたので、よくある現象なのだろう。そういえば、友だちのひとりも出べそに、もうひとりは腹とへそが一体化して真っ平らになったと言っていた(「真っ平ら」ということばを聞くと、必ずズボンズのキーボードのマッタイラさんを思いうかべてしまうのはわたしだけなのか?)。臨月のころには、収穫できそうなほど立派な出べそが育っていることだろう。へその内部の皮膚は敏感なので、触れるとたまにひりひりとする。小さいころ「おへそをいじりすぎるとお腹が痛くなるよ」と大人が言っていたことを思い出した。それにしても、出べそって、まぬけっぽいな。マンガで「もう、食べられないよー」という腹いっぱい感をあらわすときに、パンパンにふくらんだお腹とともに丸とバッテンで描かれるあれだよ。いまはいいけど、子どもが出てきたらなおりますように。*マタニティヨガその後先日教わった足のつり予防のストレッチ。続けるのは苦手だけど、いまは死活問題なので毎晩寝る前に行っている。そのせいか、最近は足がつらなくなった。寝ているときにつると何が起きているのかわからなくて軽くパニックになるので、解消されてよかった(足の写真を載せようかと思ったけど、Instagramで女子の多くが足元の写真を撮っているのを見ると「なんだかなー」という気持ちになるので、やめることにした)。

マタニティヨガをやってみた

「腰痛は大丈夫?」さいきんよく聞かれるが、友だちから譲り受けたベルトのおかげで腰の痛みはほとんどない。それよりも、左のお尻から足の付け根にかけての痛みに悩まされている。歩いているときに突然やってくるからタチが悪い。この痛みを解消せねばと、通っている産院のマタニティヨガに参加することにした。受講者はわたしを含めて5名。講師は出産前後の流れを聞いたり院内見学をする「おはなし会」のときの頼もしそうな助産師Wさん。ヨガだけじゃなく出産についてもいろいろと相談できそうで、得した気分だ。まずは、あぐらをかいて両手を胸の前で合わせて、息を吸いながら真上にあげるという動きをする。簡単な動作なのに、身体が固まっていて腕が思うようにあがらない。それでも、首まわりのストレッチをしているうちに、身体が少しずつほぐれていく。いきみの方向を身につけるために骨盤を前後に動かすものや、仰向けになって折り曲げた足を横に倒すという腰痛解消の体操などは、やってみると気持ちがいい。なんだか楽しくなってきた。あぐらをかいて足の指の間に手の指を入れてぐるぐるまわす、という足のつり予防のストレッチも行う。「ん?」いたたたたたっ! 足つりを防ぐストレッチで足がつるなんてまぬけすぎる……。「足がつったよーっ!」と叫びたいところだったが、かっこつけマンのわたしには「つりました」のひとことがどうしても言えず、がまんして続けるという道を選ぶことにした。マタニティヨガは身体を休めることも必要なので、長すぎるくらいの休憩を何回か挟む。横向きにごろんと寝ころがって身体の力を抜いていると、ほんとうに寝てしまいそうになる。後半はラフターヨガにも挑戦。その名のとおり、笑うヨガなのだとか。まずは、「ホーホー、なんとかなんとかイエーイ!」みたいなことを言いながら縦横無尽に歩き回り、出会ったひとと「ハロー」「ハロー」と言いあったあと「アッハッハー」と爆笑する。また歩き回って、こんどは「アロハー」「アロハー」と挨拶して爆笑。これを4回くらい繰り返す。次は輪になり、人指し指を立てて「イーティー!」と言いながら中心に集まって「アッハッハー」。知らないひとが見たらあやしいサークルかなにかだと誤解されるにちがいない。恥ずかしさのあまり、顔がひきつってくる。他の妊婦さんはというと、照れながらもまじめにやっている。そうか……。わたしも羞恥心ということばを頭から消し去り、無になってこなすことにした。ヨガ終わりには、みんなでハーブティーを飲みながら自己紹介。6月、7月予定日のひとが多くて、わたしがいちばん遅かった。なかには「明後日が予定日です」なんてひとも! 彼女は第2子の出産を控えていて、「週末に上の子の保育園の行事があってお弁当を作ってあげたいので、それまでもってくれるといいんですけど……」と相談していた。「それか、その前に生まれればお弁当作れるね」さらっと答えるWさん。ええっ? ヨガに行ったのは水曜日。仮にこのあとすぐに生まれたとしても、5日間くらい入院して、その後は家で安静のはずじゃ……?と思っていたので、このひとことはかなり衝撃的だった。すげえわ助産師さん! こういう話を聞くと、あまり気負いすぎる必要はないんだろうなあと気持ちが楽になる。母親学級に参加したときも思ったけど、マニュアル本よりも、現場で働く助産師さんの意見がいちばん説得力があって心強い。軽く運動して気が大きくなったのか、家に帰って冷凍庫にあったアイスを食べてしまった。意味なし!