マタニティヨガをやってみた

「腰痛は大丈夫?」
さいきんよく聞かれるが、友だちから譲り受けたベルトのおかげで腰の痛みはほとんどない。それよりも、左のお尻から足の付け根にかけての痛みに悩まされている。歩いているときに突然やってくるからタチが悪い。
この痛みを解消せねばと、通っている産院のマタニティヨガに参加することにした。受講者はわたしを含めて5名。講師は出産前後の流れを聞いたり院内見学をする「おはなし会」のときの頼もしそうな助産師Wさん。ヨガだけじゃなく出産についてもいろいろと相談できそうで、得した気分だ。まずは、あぐらをかいて両手を胸の前で合わせて、息を吸いながら真上にあげるという動きをする。簡単な動作なのに、身体が固まっていて腕が思うようにあがらない。それでも、首まわりのストレッチをしているうちに、身体が少しずつほぐれていく。いきみの方向を身につけるために骨盤を前後に動かすものや、仰向けになって折り曲げた足を横に倒すという腰痛解消の体操などは、やってみると気持ちがいい。なんだか楽しくなってきた。あぐらをかいて足の指の間に手の指を入れてぐるぐるまわす、という足のつり予防のストレッチも行う。
「ん?」
いたたたたたっ! 足つりを防ぐストレッチで足がつるなんてまぬけすぎる……。「足がつったよーっ!」と叫びたいところだったが、かっこつけマンのわたしには「つりました」のひとことがどうしても言えず、がまんして続けるという道を選ぶことにした。マタニティヨガは身体を休めることも必要なので、長すぎるくらいの休憩を何回か挟む。横向きにごろんと寝ころがって身体の力を抜いていると、ほんとうに寝てしまいそうになる。
後半はラフターヨガにも挑戦。その名のとおり、笑うヨガなのだとか。まずは、「ホーホー、なんとかなんとかイエーイ!」みたいなことを言いながら縦横無尽に歩き回り、出会ったひとと「ハロー」「ハロー」と言いあったあと「アッハッハー」と爆笑する。また歩き回って、こんどは「アロハー」「アロハー」と挨拶して爆笑。これを4回くらい繰り返す。次は輪になり、人指し指を立てて「イーティー!」と言いながら中心に集まって「アッハッハー」。知らないひとが見たらあやしいサークルかなにかだと誤解されるにちがいない。恥ずかしさのあまり、顔がひきつってくる。他の妊婦さんはというと、照れながらもまじめにやっている。そうか……。わたしも羞恥心ということばを頭から消し去り、無になってこなすことにした。
ヨガ終わりには、みんなでハーブティーを飲みながら自己紹介。6月、7月予定日のひとが多くて、わたしがいちばん遅かった。なかには「明後日が予定日です」なんてひとも! 彼女は第2子の出産を控えていて、
「週末に上の子の保育園の行事があってお弁当を作ってあげたいので、それまでもってくれるといいんですけど……」
と相談していた。
「それか、その前に生まれればお弁当作れるね」
さらっと答えるWさん。ええっ? ヨガに行ったのは水曜日。仮にこのあとすぐに生まれたとしても、5日間くらい入院して、その後は家で安静のはずじゃ……?と思っていたので、このひとことはかなり衝撃的だった。すげえわ助産師さん! こういう話を聞くと、あまり気負いすぎる必要はないんだろうなあと気持ちが楽になる。母親学級に参加したときも思ったけど、マニュアル本よりも、現場で働く助産師さんの意見がいちばん説得力があって心強い。
軽く運動して気が大きくなったのか、家に帰って冷凍庫にあったアイスを食べてしまった。
意味なし!

いま食べたいもの。西荻窪にある坂本屋のカツ丼。最後に食べたのは去年の秋だったような気がするな

おかっぱ雑記

ライター 畑 菜穂子のブログです。仕事のことや子育てのことなどを綴っています。

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